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僕は案外控えめな人なので、目立った「思いやり行動」ってしたくない人だったりする。
全ての状況に当てはまるわけじゃないんだけど、
例えば、電車で座っているときに目の前にお年寄が現れて、
やっぱり人として席を譲らなければならない状況になったとして、
一般的にはやっぱり
「どうぞ」
とかいって席を譲るんだと思う。
周囲の視線がフッと集まり、暖かい雰囲気になる。
そんな瞬間だ。
そこで、ぼくは譲られた側、譲った側のそれぞれの気持ちを考えてみる。
譲られた側は
「座れて助かった!」+1 「ありがとう、申し訳ない・・・」-1
みたいな気持ちが発生して、
譲った側は、
「いいことをした。」+1〜+2
みたいな気持ちが出てくるんだと思う。
偏見かも知れないけども、譲られた側の人の気持ちの、
「ありがとう、申し訳ない・・・」
はある種の負担だったり負い目だったりだとぼくは考える。
じゃぁぼくはどうするのか。
ぼくは黙って席を立ち、他の車両に移るなりなんなりして殺伐と対応する。
空いた席に座るかどうかはお年寄本人に一任だ。
このとき、
譲られた側は、
「座れて助かった!」+1
譲ったぼくは、
「いいことをした。」+1
みたいな気持ちになるんだと思う。
どちらにもマイナスが発生しない。
実にシンプルでクールだ。
僕は、空けた席を見ることもなく、
「いいことをしたかもしれない。フフン。」
これだけで十分だ。
これがぼくの「思いやり」の形。
ええ、もちろん自己満足ですけども。